ABHAR「水平線まで何マイル?」感想

・「水平線まで何マイル?」(ABHAR) 55点
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[シナリオ]

何から成果を出さないと強制解散となる宇宙科学会のメンバーが
成果としてライトモーターグライダーのコンテストに参加するため、
まわりを巻き込みながらも作り上げていくというお話。

部活動…いや、同好会の雰囲気は、それなりに出てはいるんだが。

お話の肝心の部分が飛ばされていたり、ルートによっては何が起き
ているかも全くわからずに、何となく解決をして終了してしまうのは
ちょっと…。一応、一通り話の繋がるルートもある事はあるものの、
全ルートを通じて問題解決までの過程や各キャラクターの深層的
な感情の表現が「かなり」不足してて、置いてけぼり間が強い。
「あれ?あれ!?」という感じ。

他の部分は総じてレベルが高いだけに、これではもったいなさ過ぎ。

[グラフィック]

深崎氏の等身の高い美麗なキャラクターは○。立ち絵は表情&
ポーズとも豊かで生き生き。若干イベント絵にばらつきが見られる
のと(気になるレベルではないけど)、背景が若干浮いた様に感じる
以外はおおむね満足。

[スクリプト・演出]

エロゲでは珍しい、ワイド画面と特徴的なテキストと立ち絵の表現。
通常シーン&イベントシーン切り替えも違和感なく、ダイナミック
に動く場面こそないものの、文章にリンクさせた多彩な表情変化や、
遠近感を持たせた面白い表現もあり好印象。欲を言えば、クリック
で表情変化と同時にテキストも飛ばせると良かった。

演出とは少々違いますが、用語によってはリンクから用語集を参照
出来るのも面白い。各種機能が使いにくいと思うのは、自分だけ?

[エロシーン]

各キャラとも1回づつ。1回に収めているため、シチュが初めてにして
は慣れてますな!と思えてしまうのは仕方ないところか。今のエロゲ
というより10年くらい前のエロゲに近い、というと判る人はいるかも。

[声優]

違和感を覚える演技もなく、各キャラクターともよく合っていると思い
ます。特に、陽向役の雛見嬢は完全に役に入り込んだ好演技。声質
が自分にあっているのもあるけど。あとは、やはり教官でしょうか。


シナリオ(とエロ)ではお勧め出来ませんが、それ以外ではレベルの
高い作品。「非常に」もったいない作品。